山陰地方や九州、沖縄・奄美地方を中心に作られている陶器製の酒器でいずれも上蓋がありません。
チョカ(千代香・花家)と呼ばれる鹿児島県や宮崎県で作られている焼酎用の陶器製酒器は上蓋と把手がつき徳利というより急須に近い形かもしれません。
雲助徳利の雲助は「うんすけ」と読みます。
焼酎を入れるための甕にそのまま注ぎ口をつけたかのような、徳利というには大型な雲助も存在します。元々は酒だけでなく醤油や酢といった液体の醸造用大樽から小型の容器に移す際、仲立ち的な役目として作られた中型の甕や徳利だったとされております。
なぜ雲助と呼ばれているか定かではありませんが一説には雲助徳利の形状をした陶器の生産地でもあった島根県出雲地方の雲州を語源とするのではないかと云われております。
カラカラは本来壺屋焼の上焼ですが最近では琉球ガラス製のものも見受けられます。
上焼とは釉薬をかけた壺屋焼のことです。
泡盛を入れるための容器で、中に玉を入れてカラカラと音のするものもあります。これは「泡盛が中に入っているかどうか確認するため」と云われておりますが古いカラカラには音の鳴らないものも多く、語源はよく分かっておりません。
抱瓶(だちびん)もまた泡盛を入れるための陶器製容器ですが、こちらは携帯用になります。腰の部分に提げるためフィットしやすいよう三日月形になっております。
カラカラや抱瓶は壺屋焼の中でも人気が高く、特に金城次郎の作品は高額買取対象となります。金城次郎の代名詞ともいえる魚紋が施されたカラカラや抱瓶は人気が高く一段と高値査定となりやすい酒器と言えます。
しかしながら沖縄ブームと民藝ブームの折りに作られた贋作も非常に多いため売買において注意が必要となります。