平素より大変お世話になっております。東京都江東区での酒器・骨董・仏像買取専門店「江戸市川」です。

今回お伺いしました地区は東京都江東区門前仲町です。
江東区門前仲町は通称「門仲」と呼ばれる深川下町文化を残す地区です。永代寺や富岡八幡宮が所在し、江戸時代は永代寺の門前町として栄えました。

この度買取対象となりました仏像はガンダーラ仏頭になります。箱には「紀元3～4世紀・パキスタン・ガンダーラ出土」と古代オリエント研究者・市川清により箱書きがされた識箱となります。

ガンダーラは現在のパキスタン北部ペシャワールを中心とした地域を指します。
紀元1世紀から3世紀頃には地中海のギリシア・ローマ文化圏と中国文化圏を結ぶ東西貿易の要所であったガンダーラはギリシア・ローマ文化の影響を受けます。その端的な例がガンダーラ美術です。
インドから仏教が伝わり、ギリシアや中東の古代ペルシアやシリア、インドなどの様々な仏教様式が融合したガンダーラ美術が誕生します。また仏像という概念が初めて誕生し制作されたのもガンダーラでした。

　
ガンダーラ仏像には古代ギリシア・ローマの彫刻技術や様式が見られるのが最大の特徴です。彫が深く華筋の通った顔はいかにも西洋風の顔立ちで、ギリシア彫刻の影響が見られます。またガンダーラ仏像には片岩で作られた石仏の他にもストッコと呼ばれる化粧漆喰で制作された仏像がありますがこの技術はローマから伝わったものです。

ギリシア彫刻の表現にアルカイックスマイルというものが存在します。
これは顔の表情自体は控えめながら口元のみ微笑んだような形をしていることがアルカイックスマイルの特徴ですが、これがガンダーラ仏像や古代日本の飛鳥時代の仏像にも良く見られる特徴として挙げられます。
ガンダーラは古代ギリシアのアレキサンドロス大王が東征で支配した地であり、ギリシア文化の流入は必然だったとも言えるでしょう。ここからシルクロードを経て日本の寺院や仏像にギリシアやペルシアの影響が見られるのも大変興味深い事例ではないでしょうか。

こちらのガンダーラ仏頭はご依頼者様のお父様が所持していた仏像のうちのひとつだと教えてくださいました。ご生前は仏像がお好きでお手頃な価格帯の仏像からガンダーラ仏頭といった時代もある仏教美術品と広くコレクションされておいででした。学校で教師として教鞭を振るう傍ら、足繁く地方の寺院等にも仏像を観覧しに行かれていたそうです。
大変希少性の高い仏像です、この度は仏像の買取にご用命下さり誠にありがとうございました。

酒器・骨董買取専門店「江戸市川」では仏像の買取を強化しております。
ガンダーラ仏像などの古い仏像や、石仏、木彫りの仏像のご売却をご希望のお客様は是非「江戸市川」にお問い合わせ下さいませ。
電話0120-456-956、web、LINEからお気軽にご相談いただけましたら幸いです。

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