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急須の買取(萬古焼・万古焼)荒川区南千住

買取品目 工芸品 茶器/茶道具 陶磁器
買取エリア 東京都
買取時期 2020年11月
買取品名 急須の買取(萬古焼・万古焼)荒川区南千住
買取方法 出張買取

江戸市川鑑定士からのコメント

平素より大変お世話になっております。東京都荒川区での酒器・骨董・急須買取専門店「江戸市川」です。

 

お伺いしました地区は荒川区南千住になります。

荒川区南千住は同じ荒川区荒川・東日暮里をはじめ墨田区堤通、台東区橋場・清川・日本堤・千束、足立区千住緑町・千手橋戸町・千手関屋町・千手曙町と接する荒川区最東端に位置する地区です。

江戸時代では南千住は日光街道の宿場町・千手宿として賑わいをみせた地区ですが昭和後期より南千住駅を中心に大規模な再開発が開始され多くのタワーマンションが連なる地区となっております。

 

さて買取対象となりました煎茶道具は萬古焼(万古焼)の急須です。

萬古焼(万古焼)は三重県四日市を代表する工芸品で1979年(昭和54年)経済産業大臣指定伝統的工芸品に指定された焼物になります。

陶器と磁器の間に位置する炻器に分類され耐熱性の高さから急須や土鍋の生産を得意とします。

 

萬古焼(万古焼)の急須は紫泥急須とも呼ばれております。これは土に含まれる鉄分が還元され青色に発色するためです。

窯の中を酸素不足にし不完全燃焼のまま焼成する方法を還元焼成といいます。

窯の中では青色の急須も火をとめますと外部から酸素が入り込み表面を酸化させ赤く発色させます。結果、青と赤が合わさり紫色として落ち着きます。

 

外見の紫色の発色から紫泥急須と呼ばれますが、中国宜興の紫泥急須は酸化焼成で土のミネラル分から紫色へと変色するため同じ紫泥急須と呼ばれていても工程が全く異なることが分かります。

 

萬古焼(万古焼)は江戸時代中期に煎茶が流行した際に現在の三重県桑名市の豪商・沼波弄山が創始した焼物です。弄山は自身の作品に「萬古」や「萬古不易」と刻印し、それが由来で萬古焼(万古焼)と呼ばれる様になります。

当時の萬古焼(万古焼)は京焼に倣った色鮮やかな作風が主流でした。特に交趾焼の影響は大きく、萬古焼(万古焼)の交趾焼は江戸でも人気の煎茶道具となりました。

しかし沼波弄山死後は後継者がいなかったことから萬古焼(万古焼)は一旦途絶えてしまいます。

 

天保年間(1830年~1843年)に同じく桑名市の陶芸家・森有節・森千秋の兄弟によって萬古焼(万古焼)は再興されるようになりました。

これを有節萬古と呼びます。木型を用いた急須を成形する、いわゆる型萬古はデザイン性に溢れ桑名の名産となり桑名藩も奨励し有節萬古を生産する陶芸家が多く出現しました。

有節萬古は桑名萬古とも呼ばれ、現在では三重県伝統工芸品に指定されております。

 

四日市の萬古焼(万古焼)は幕末から明治にかけて活躍した現在の四日市市橋北地区出身の陶芸家・山中忠左衛門の尽力で創始されました。

有節萬古に影響を受け自邸内に窯を開いた山中忠左衛門はなんとか量産体制を整え洋皿やコーヒーカップなどの洋食器を生産し明治期には海外輸出するまでになります。

四日市には港があり、当時の燃料である石炭を入手しやすかったこと、貿易港として流通に適していたこともあり、その後も全国有数の陶磁器の産地として発展を遂げました。

 

四日市萬古焼(万古焼)の特徴は割れにくいことと耐熱性です。

陶土に葉長石(ようちょうせき、別名ペタライト)と呼ばれる熱に強いリチウム鉱石を40%ほど混ぜて使用します。

それにより強度が飛躍的に増し直火や空焚きにも耐えうる高い耐熱性が生み出されております。

 

こちらの紫泥急須には陽桐軒などの印が数多く押されて文様化しております。これは江戸時代後期の瀬戸や萬古(万古)で流行した「数印」と呼ばれる印尽くし文様です。

蓋の摘みもクルクルと回るのも萬古焼(万古焼)の特徴です。

大変面白い意匠の急須ではなりますがそれほど高額買取される急須というわけではありませんので査定価格は控えめとなります。

ただご遺品整理の中で出てきた急須で故人様との思い出もあるため捨てるには忍びなく、だれか使っていただける方にお譲りしたいと私たち「江戸市川」にご連絡くださいました。

この度は萬古焼(万古焼)の紫泥急須買取のご用命下さりありがとうございました。次の方に繋げていきたいと思います。

 

酒器・骨董・急須買取専門店「江戸市川」では急須の買取を強化しております。
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住所 〒132-0003 東京都江戸川区春江町2-10-15
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