平素より大変お世話になっております。東京都江戸川区での酒器・骨董買取専門店「江戸市川」です。

今回伺いました地区は江戸川区西葛西になります。西葛西は江戸川区内で最も人口が多く、東西線・西葛西駅が所在する地区です。都心のIT企業に通勤されているIT技術職系のインド人の方が多く住む地区としても知られております。
江戸川区西葛西は荒川を挟み江東区東砂とも隣接し、同じ江戸川区に所在します「江戸市川」も酒器や骨董の買取で度々ご依頼いただく地区でもあります。

それはさておき、この度買取対象となりました民芸（民藝）は桃山時代の古丹波大壷です。
ご依頼者様のお父様がご生前に購入された壺で当時の領収書も残っておりました。

　
丹波焼は六古窯のひとつで兵庫県丹波篠山市周辺で焼かれる陶器になります。
起源は平安時代末期から鎌倉時代頃と云われておりますが同じ六古窯のひとつ常滑焼の影響があったと考えられております。
今回の丹波焼の壺もそうですが、中世の頃の丹波焼は窖窯（あながま）で焼き締めの壺や甕といった生活雑器を制作しておりました。焼成時に器の上に松の薪の灰がかかり灰被りを起こし、美しい緑がかった自然釉のビードロを創り出す様はまさに火の芸術品といっても過言ではないでしょう。

思想家にして民藝運動の中心人物であった柳宗悦は丹波焼の蒐集に熱心だったことでも有名です。柳は丹波焼の美しさを「最も日本らしき品、渋さの極みを語る品、貧しさの富を示す品」と絶賛し「この蒐集の成長は、やがて私自身の心の成長でもあったと云へよう。私はそれ等の焼物に絶大な恩義を受けたのを感じる」と独特の言い回しで古丹波の蒐集について語っております。
大壷や甕は食料などを保存しておくために必須の道具で誰もが手軽に手に入る安価な日用雑器でした。そこには過度な加飾は一切なく自然釉と窯変が織り成す幽玄の世界が存在します。

こちらの古丹波壺は窯変や自然釉などいくつもの景色があり実に見事な作行きです。
ご購入時の領収書はバブル経済期のもので金額もまさにバブル価格と言わざるを得ません。
残念ながら床の間と和室が敬遠される今の住宅事情から床の間飾りを置く文化が失われつつあるため、古丹波に限らず六古窯の大壷は軒並み価格が下がっているのが実情です。
ご依頼者様にも古丹波の現状とともに当該作品の素晴らしさをご説明し、故人様が大切にされてきた古丹波壺なので売却せず受け継がれることも案のひとつとご提案致しましたが、やはり新しいご自宅に置くスペースがないことが一番のネックだったため「好きな方に飾って欲しい」と買取という形でお譲りくださいました。
この度は美しい古陶であり民芸である古丹波壺をお譲りくださり誠にありがとうございました。

酒器・骨董買取専門店「江戸市川」では酒器・骨董・民芸の買取を強化しております。
徳利や盃、ぐい呑み、猪口、蕎麦猪口といった酒器の買取や古丹波や古備前・古信楽・古瀬戸・越前焼・常滑焼など六古窯のご売却をご希望のお客様は是非酒器・骨董・民芸買取専門店「江戸市川」にお問い合わせ下さいませ。
電話0120-456-956、web、LINEからお気軽にご相談いただけましたら幸いです。

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