平素より大変お世話になっております。神奈川県横浜市での酒器・骨董・茶道具買取専門店「江戸市川」です。

お伺いました地区は神奈川県横浜市緑区になります。

横浜市緑区は横浜市北西部に位置し横浜市神奈川区、港北区、瀬谷区、保土ケ谷区、旭区、青葉区、都筑区、さらに東京都町田市と接する地区です。

今回は横浜市緑区在住のお客様より買取致しました茶道具より裏千家十四世淡々斎の直筆色紙をご紹介したいと思います。

裏千家十四世淡々斎は裏千家十四代家元・碩叟宗室の号となります。この淡々斎という号は九鬼隆一男爵から命名されたものです。また他にも大徳寺管長、円山伝衣老師に授けられた無限斎という号もありますが茶道具の箱書には淡々斎の号が用いられることが多いかもしれません。

淡々斎は戦後の裏千家発展の礎となった人物で学校教育における茶道の導入や海外普及に尽力したことで知られております。「日本の伝統文化である茶道をもって世界平和のために貢献し、国際文化交流に資することを目的」とする国際茶道文化協会を1947年（昭和22年）に設立し「茶の湯」の精神を海外に発信しました。

淡々斎は書画や和歌にも長けており多くの作品を残しております。裏千家などの家元が書く書は茶会での茶掛けとして用いられることが多く、こちらの色紙もそのうちのひとつかと思われます。

色紙には「大道透長安」とあります。これは禅語のひとつです。

唐の時代の有名な禅僧、趙州（じょうしゅう）の逸話が語源とされております。

「道とはいかなるものでしょうか？」と若い僧に尋ねられた趙州は「道なら、目の前の垣根の外にある」と返しました。

若僧は「いやその道じゃないです。私は仏の道、大道（悟りの道）について聞いているのです」と憤ります。
そこで趙州は「垣根の向こうの道を進めば長安の都、大道に通じている（大道透長安）」と答えます。

垣根の前にある道とは普通の道です。その道を一歩一歩歩むことでいつしか唐の都・長安の大道に繋がる、つまり毎日の行いを弛まず丁寧にすることこそ大道（悟りを開く道）への道なのです。

禅は特別なことをするわけではありません、ただ毎日を丁寧に生きることのみ。

一足飛びに成功したい、コストパフォーマンスばかりを気にし、如何に効率的に面倒なく物事を進めようとする今日の成果主義に一石を投じる禅語かもしれません。

私自身も禅語にはハッと気づかされることが少なくありません。急ぎ過ぎず、成果を求め過ぎず、毎日を丁寧に歩めればと思います。

色紙の茶掛けは裏千家宗室の作品とは言え手頃な価格でもあり、一段上のお稽古用としても最適な茶道具の一つではないでしょうか。

大変心に響く禅語の茶掛買取にご用命下さりありがとうございました。

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