【茶道具・香合買取】香合を売りたい方必読!香合買取査定前に抑えておくべき情報とは?【茶道具・香合処分】
2021.07.31
- 江戸市川コラム
- 茶道具
【香合買取査定前に抑えておくべき情報とは?】はじめに
香合とは主に香を収めておくための蓋つきの小さな容器になります。茶道具や仏具として用いられるのが一般的ですが程良いサイズから宝石入れなどの小物入れ・装飾品ケースとして用いる方もいらっしゃいます。また香合は茶碗や花入などの茶道具と異なり、蒐集されるにもちょうどよい大きさなためコレクターズアイテムとしても人気の茶道具のひとつです。加えて香合はその種類の多さも豊富で香合だけ数多くコレクションされている数寄者の方も少なくありません。
最近では茶道をされていた家族の方がお亡くなりになられたご遺族様より故人様がご蒐集された茶道具の買取査定のお問い合わせが増えており、香合の買取査定についてもご相談いただいております。またコロナ禍で現在茶席やお茶の稽古などされる機会が減ってしまい茶道をお辞めになった方からも茶道具や香合の買取や引き取りについてのご相談をいただくことが増えて参りました。
茶道具の中でもとりわけ種類の多い香合は茶道に精通された方ならともかく、あまり茶道具に馴染みのない方にとってどの様な香合に価値があり買取可能なのか、なかなか判断がつきにくいかもしれません。またご自身で蒐集された方にとっても、大切な香合が今現在のマーケットでどのような評価となっているのか気になるところかと存じます。
そこでここでは「どのような種類の香合が買取対象なのか」「香合の高額査定のポイントとは」「現在の茶道具・香合のマーケットニーズ」などについてご案内していきたいと思います。
これから香合を売りたい・処分したい、好きな方に譲りたいなどお考えの方々のお役に立てましたら幸いです。
【香合売却】どのような種類の香合が買取対象なのか?
香合は合子(ごうす)とも呼ばれるように「蓋つきの小型の容器」です。中に白檀や沈香、伽羅といった香木や練香など茶席の炭点前で用いる香を入れておくために用いられます。
炭点前とは茶事の際に炉や風炉に炭を置くための作法です。香合の中には香が3つ入っており、そのうち2つを下火の近くと胴炭のあたりに入れます。その後に残った香と香合を拝見する流れとなります。ただ現在では炭点前は省略されるのが一般的かと存じます。その際に香合は床の間に紙釜敷に載せて飾られます。このことにより「炭点前を省略します」という意味を表します。
茶道具は季節に応じて道具を使い分けるという特徴がございますが香合も炉か風炉かで用いられる種類が異なります。
炉(11月~4月)では香に練香が使われるため陶磁器製の香合が用いられることが一般的です。また風炉(5月~10月)では白檀や沈香・伽羅などの香木が使用されるため俱利などの唐木や竹製の漆器の香合が用いられます。そして貝や金属製の香合は季節を問わず用いられております。
買取対象となる香合の種類は大変多岐に渡るため今回は江戸時代末期に編集されました『形物香合相撲番付表』に則ってご案内したいと思います。
染付
染付の香合は『形物香合相撲番付表』では85種が選出されております。
『形物香合相撲番付表』では「染付辻堂香合」が最上位の西の大関となっております。いわゆる明末清初の時代に景徳鎮窯で制作された「古染付」です。
古染付の香合や李朝染付の香合は格が高く高額買取対象の香合となります。
交趾
交趾焼の香合は64種選出されております。『形物香合相撲番付表』では「交趾大亀香合」が最上位の香合として記載されております。
交趾は現在のベトナム北部に位置するトンキン・ハノイ地方の古名コーチシナに由来する焼物です。選出された香合は16世紀頃の中国福建省南部で制作され、ベトナムを通る交易船で日本に伝わったものと考えられております。
交趾焼は茶道具として珍重されており、楽家や永楽善五郎が写しを制作し京焼でも写しが多く制作されております。
青磁
青磁の香合は29種類が『形物香合相撲番付表』に記載されております。そのうち最上位は西の小結「青磁桔梗香合」です。
赤星家伝来の七官青磁香合が選出されました。七官青磁とは明末清初時代の中国龍泉窯にて制作された青磁のころを指します。
中国青磁は南宋~元時代の砧青磁(きぬたせいじ)・元~明初の天竜寺青磁(てんりゅうじ)・明末清初の七官青磁の3種に大別されます。
これら中国青磁の香合に加え朝鮮高麗青磁象嵌香合も買取対象となります。
祥瑞
祥瑞手の香合は19種類が『形物香合相撲番付表』に選出されております。「祥瑞蜜柑香合」は西方二段目において最上位となります。
祥瑞は明末清初に景徳鎮窯で制作された染付の一種で日本の茶人や数寄人からの特注品が多いことでも知られております。
細い線で描かれた精密な幾何学模様などが特徴的です。「五良大甫呉祥瑞造」の銘が入ったものが多く、そこから祥瑞と名付けられたとされております。
古染付とは異なり最良の顔料が用いられており品のある作品が多く、日本での写しが制作されました。
呉須
呉須の香合は16種が選出されております。『形物香合相撲番付表』では西方の関脇に「呉須菊蟹香合」が選ばれております。
呉須は明末清初の中国南部にある民窯で大量に生産された磁器を指します。素朴な筆致が侘び寂びを愛する茶人に珍重されました。
「砂高台」と呼ばれる焼き付き防止のための砂が付着した高台が特徴的です。
下手の染付「呉須染付」のイメージが強いですが「呉須赤絵」「呉須青絵(青呉須)」「白呉須」「餅花手」など種類も多彩です。
宋胡禄(すんころく)
宋胡禄の香合は2種が『形物香合相撲番付表』に選出されております。最上位は西方前頭六枚目の「宋胡禄柿香合」が選ばれております。
宋胡禄は寸胡禄や寸古禄とも書く、タイの古陶磁の総称となります。タイ北部スワンカロークという地名から呼ばれるようになったとされています。
日本で柿香合と呼ばれるものはマンゴスチンの実を模したものです。
東南アジアの陶磁器では宋胡禄とベトナム安南染付が知られており香合・合子としても買取の対象となっております。
塗物香合・木地物香合
漆器や木地物の香合にも日本製の和物香合と中国製の唐物香合に分かれます。
漆芸の中国製・唐物香合では堆朱や堆黒、俱利といった彫漆の香合が知られております。また「キンマ」と呼ばれる東南アジアのタイ北部からミャンマーにかけて製作された漆芸の香合も存在します。
また琉球螺鈿など螺鈿細工の香合も有名です。中国の漆芸技術を日本で独自に発展させたのが鎌倉彫です。鎌倉時代に仏具を制作する技術として伝えられたのが始まりとされております。
独楽塗の香合も元々は中国南部や東南アジアが発祥とされております。日本では写しが作られ人気の香合のひとつです。
和物の香合には好物(このみもの)が多いです。好物は三千家の茶人などが自分好みの意匠を職人に伝え指示し制作した茶道具を指します。
『形物香合相撲番付表』では行司に武者小路千家四代直斎の好物である「直斎好名取川」が選出されております。
日本の焼物・陶磁器
日本の焼物・陶磁器製香合も『形物香合相撲番付表』にはいくつか選出されております。
伊賀焼や黄瀬戸・織部・志野といった美濃焼や九谷焼、また備前焼、信楽焼、丹波焼などの六古窯、さらに仁清・乾山、楽焼代々に代表される京焼は現在でも茶陶として知られておりいずれの香合も買取対象となります。
金属製香合
純銀製香合や古銅を用いた香合も買取対象となります。
有名な金工家が制作した香合や時代のある金工の香合は高額買取対象となる可能性がございます。
純銀製のボンボニエールなども香合に見立てて用いることも可能なため買取対象となります。
【香合買取り】香合の高額査定のポイントとは?
香合の高額査定ポイントとして先ず挙げたいのは「来歴・由来」です。香合は茶道具のひとつです。茶道具にとって「誰が所有していたものか」「どういった経緯で入手されたものか」といった来歴がそのまま格となると言っても過言ではないでしょう。箱書きに「○○伝来」や「○○所蔵」などがあり、それを保証する形で三千家の家元や徳大寺などの有名な禅寺の管長の花押が入ったものは来歴に信ぴょう性が高く、結果として高額買取されやすくなります。
次に挙げる香合の高額査定ポイントは「保存状態の良し悪し」になります。これは文字通り、コンディションの良し悪しがそのまま査定に直結することを意味します。
これは香合の買取だけの当てはまる条件ではありませんが、割れや欠けの有無で香合の査定評価は大きく変わってしまいます。特に香合は拝見される茶道具なためコンディションは極めて重要な査定ポイントとなります。
「古陶磁であること」も香合の高額査定ポイントとなります。
日本の陶磁器をはじめ中国の陶磁器や東南アジアの焼物までと香合の種類は多岐に渡ります。桃山茶陶として花開いた時代の織部焼や志野焼の香合、また中国より伝わった古渡の香合、15世紀から16世紀の宋胡禄などは時代があるものほど人気が高く、「いつ制作された香合か」「古い香合なのかどうか」などが査定評価対象となることも少なくありません。
ただ古陶磁の中には非常に新しい作品にしか見えないくらい大変保存状態の良好な作品も存在し、その真贋を見極めるのは非常に難しいと言わざるを得ません。また宋胡禄は蓋と胴が異なるものも多く見受けられるため注意が必要な古陶磁のひとつです。
【香合買い取り】現在の茶道具・香合のマーケットニーズ
マーケットニーズとはユーザーの志向や市場が求めている傾向を指す言葉です。香合など茶道具を必要とする方のニーズが、よくも悪くも、市場評価額として買取価格へ反映されます。
現在の茶道具に対する市場のニーズは残念ながら「非常によく売れるもの」と「売れないもの」に二分されていると言わざるを得ません。バブル期によく見られた購入価格数万円くらいの中間価格帯の茶道具が以前のように値段がつかず、最良品にしか買い手がいないという状況が続いています。特に和物の茶道具に関する値崩れは大変大きい傾向にあります。一方で唐物の上手はニーズを保ち市場評価額は高値水準を維持しています。
なぜこのような結果になったか、先ずは「中国美術に対するニーズが依然として高まっていること」と「人口減による茶道人口の減少」「茶道具の需要不足と供給過多」などが原因として推察されます。
ただ中国美術に対する投機的な高騰は現在落ち着きをみせ、「上手の中国美術品をきちんと選び購入する」という方向へシフトしつつあります。そのため一時のように唐物であれば何でも需要があり高額で売買されるという時代ではなくなったと言ってもよいでしょう。逆に言えば良品の中国美術は以前として高額買取対象であるということになります。香合でいえば古渡の青磁香合などがそれに相当します。
和物の茶道具に関しては「有名な作家物」などでようやくきちんとした値段がつき、「一点数万円のお稽古用の需要は薄い」という状況が続いております。
茶道が流行した昭和中期頃に制作された茶道具の多くは値崩れを起こし、時代があり来歴のきちんとした茶道具や人間国宝の作品などが一定の市場評価額を維持できています。ただそれも年々下がりつつある傾向です。これには茶道をされる方の人口が減り、逆にご遺品や生前整理として手放される方の方が多く供給過多な状況であることが影響してる可能性が高いと言えます。
これらの傾向は茶道具買取や香合買取の現場でも大きく影響し、私自身大変心苦しく思う状況に他なりません。
だからこそ私たち茶道具買取専門「江戸市川」では過去10年のマーケットプライスの傾向を参考に現在の市場を鑑みた、出来る限りの買取価格をご案内致します。お客様のお持ちの茶道具や香合を一点一点拝見し、しっかりと査定し出来得る限りの高値買取を目指します。
そのためにも一期一会の心を大切にし、お客様のお気持ちを第一に考え、香合など大切な茶道具を責任もってお預りする所存です。
「次の方へ繋げたい」そんなお客様のお役に立てるお手伝いができれば光栄です。
他の買取業者には断られたお品もご依頼・売却いただけます。
茶道具・香合の買取査定には是非、茶道具買取専門「江戸市川」にご用命ください。
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