【浮世絵買取】浮世絵を売る前に知っておくと得する浮世絵買取マル得情報【浮世絵売却】
2020.11.14
- 江戸市川コラム
- 絵画
【浮世絵買取】はじめに
浮世絵買取査定のご相談の中で「浮世絵を持っているのですがいくら位で売れますか?」というお問い合わせをよくいただきます。
浮世絵の多くは木版画による作品となりますが、画題は多岐に渡りジャンルによって人気が異なり買取価格も異なります。歌舞伎役者が描かれた浮世絵が手元にあったら「なんとなく高く売れそう」と思われるかもしれません。
「父が生前集めていた浮世絵がたくさんあり処分に困っている」
「家にある浮世絵の価値が知りたい」
といったご相談は年々増えており、「浮世絵を売りたくても版画か印刷かよくわからない」「実家にある浮世絵はそもそも価値がある浮世絵なのかどうか判断つかない」といったお客様も大勢いらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は「どんな浮世絵が売れるのか?」「浮世絵の買取相場」について説明していきたいと思います。
それにより浮世絵のご売却を検討されている方のお役に立てれば幸いです。
【浮世絵買取】浮世絵とは
浮世絵とは江戸時代初期に成立した日本美術を代表する絵画様式の一つです。
木版画を思い浮かべる方が多いかと思いますが肉筆画の浮世絵も存在します。浮世絵とは当時の風俗を反映した作品の総称であり、人々の生活や生業、当時の流行などを色濃く描き、現代に伝える歴史的資料という側面もございます。
例えば『鬼滅の刃』で若い方の間でも有名となった市松模様ですが、あれは江戸時代の歌舞伎役者・佐野川市松に由来します。役者絵と呼ばれる浮世絵が役者のブロマイドのような役割を果たしており、奥村政信や鳥居清重、石川豊信といった浮世絵師により描かれた格子模様の着物を羽織った佐野川市松の役者絵は当時大変な人気となりました。そこから市松が愛用した模様を「市松模様」と呼ぶようになります。
また浮世絵の浮世は「憂世」を語源とします。「憂世」は文字通り「世を憂ており」世の中によいイメージを持っていないことを意味する言葉です。しかし浮世という文字はいかにもフワフワしていて浮かれた感じがします。江戸時代は戦のない時代です、町民文化は花開き世の中を謳歌しようとする心の動きが文字に表れたと考えられます。
そのためか今でも美人画や花魁をテーマとした浮世絵は華があり、保存状態や浮世絵師次第では高額買取となるケースも見受けられます。
そして浮世絵は今でいうところの広告宣伝ポスターのような役割も果たしておりました。
江戸時代中期の天才浮世絵師・鈴木春信の美人画「笠森お仙」、茶店の看板娘を描いたこの浮世絵を手に茶屋には長蛇の列が出来たといわれております。
江戸時代後期の歌川広重「名所江戸百景」「東海道五十三次」や葛飾北斎「富嶽三十六景」は江戸時代の旅行ブームに一役も二役も買った存在です。特に正確な写実性の中に人々の生活を叙情的に描いた「東海道五十三次」はお伊勢参りをしていた参拝者にとってバイブルとなり大ヒットします。
写真のなかった時代、浮世絵は一大マスメディアでした。それはファッション誌であり新聞であり広告であり、当時の人々の生活を語る上で欠かすことの出来ない文献なのです。
【浮世絵買取】浮世絵の種類や画題について
浮世絵はいくつかの種類や画題によって区分されており、各分野を得意とする浮世絵師も存在します。画題や浮世絵師によっては高額買取となりますのでご紹介したいと思います。
- ・藍摺(あいずり)
- 濃淡を藍色のみで表現した浮世絵になります。藍絵や藍摺絵とも呼ばれており主に江戸時代後期のベロ藍が大量に輸入された頃から流行します。また当時は贅沢禁止令により浮世絵の彩色に制限がかかっていたことも要因として挙げられます。
- 葛飾北斎「富嶽三十六景」の「甲州石班澤」は藍摺の代表的作品となります。
- ・アイヌ絵
- 蝦夷絵とも呼ばれ、文字通りアイヌをテーマとした風俗絵になります。肉筆画が多く、蠣崎 波響(かきざきはきょう)が有名ですが歌川国芳も「山海愛度図会・チトお酒をはやらせたい・松前・おつとせい」「山海愛度図・どんなだかいつてみたい・蝦夷・鮭」のコマ絵にアイヌの描写があります。
- ・赤絵
- 赤絵とは真っ赤な人工染料・アニリン紅を多用した明治期の浮世絵版画を指します。三代歌川広重や豊原国周が有名です。
- ・あぶな絵
- あぶな絵は女性のチラリズムが強調された浮世絵版画になります。
- 春画のような露骨な表現ではなく、入浴や湯上りの浴衣姿、髪を洗っている際に上半身や下半身の一部がちらりとはだけた様を描いた作品です。正直ほとんどの浮世絵師が描いていると思いますが歌川国貞や渓斎英泉といった好色で有名な浮世絵師は通常の美人画の中にあぶな絵的な要素を盛り込んだ作品が残っております。
- ・浮絵(うきえ)
- 浮絵とは遠近法を用いて描いた様式で屋内の遠近を強調する際に多用されました。
- 奥山政信の「芝居狂言浮絵根元」が有名です。
- ・有卦絵(うけえ)
- 有卦絵は有気絵とも呼ばれており陰陽道を端に発する浮世絵版画の画題です。有卦絵の中には富士山、福助、福寿草、福禄寿、藤、筆、瓢(ふくべ)などの「ふ」の字がついた物が描かれます。江戸末期の歌川派が得意としたことでも有名で、国芳の描いた有卦絵は状態のよい浮世絵ですと買取相場としては20万円前後見込める可能性がございます。
- ・兎絵
- 兎絵は兎をモチーフにした浮世絵版画ですが、兎を擬人化したものを指します。これは明治初期に兎が投機目的で狂乱的に取引されたことに対する風刺の意味が込められております。
- ・団扇絵
- 団扇絵は浮世絵版画を団扇に貼ったものです。広告用としての役割もあり、かなりの数が刷られました。買取価格としてはあまり高額ではありませんがコレクターズアイテムとして認知されております。
- ・漆絵
- 漆絵は江戸時代中期の浮世絵に見られる彩色様式です。髪の毛や着物の黒い部分を強調するために黒漆か膠の入った艶のある墨を用い光沢を出します。1700年代に流行した技法になります。
- ・大首絵
- 大首絵は歌舞伎役者や花魁・遊女、美人画などで用いられた浮世絵様式で上半身や胸像を描いたものを指します。役者絵の東洲斎写楽、美人画の喜多川歌麿で大首絵はひとつの成熟期を迎えたと言っても過言ではないでしょう。
- ・開化絵
- 開化絵は明治時代以降の文明開化をテーマとした浮世絵版画になります。蒸気機関車や蒸気船、西洋風の街並みなどを中心に描かれました。
- ・花鳥画
- 花鳥画は浮世絵だけでなく日本画の画題となりますが、浮世絵版画で見られる花鳥画は当時流行した俳諧や狂歌と結びつき、詩歌と共に描かれた作品が多く残っております。花鳥画の代表的浮世絵師は歌川広重で生涯1000点以上の花鳥画を手掛けたと云われております。花鳥画は浮世絵版画の中でも写実性が高いのも特徴のひとつです。従来の大判ではなく大短冊に描かれました。
- 明治になると花鳥画は西洋技法を取り入れた小原古邨(祥邨)によってひとつの完成形へ至ります。
- ・玩具絵
- 玩具絵は子供が玩具として遊んだり絵本とするために作られた浮世絵版画になります。
- 江戸時代では手遊び絵とも呼ばれ、絵本や図鑑、かるた絵とありますが中でも双六絵(絵双六)が有名で人気があります。明治期の双六絵は現在でも多く見られ、保存状態にもよりますが1点1万~3万円の買取相場となります。
- ・教訓絵
- 教訓絵は女性のマナーや心構え、人生の教訓を美人絵と共に訓じた浮世絵の様式です。
- 教訓絵の代表作は、怠惰な女性像を描いた喜多川歌麿の「教訓親の目鑑」でしょう。
- 茹でた蟹を片手にギヤマンで酒を飲み、朝は起きてこず、そろそろ歯磨きでもしようかなとぼーっとしている実にだらしのない女性が描かれている作品ですが、そこに人間味があり実に愛らしい女性に見えます。因みにこの作品のテーマは娘を持つ親への教訓となります。
- ・口絵
- 明治・大正以降に作られた、木版画による小説用の挿絵になります。浮世絵版画と同じ工程で制作され水野年方や梶田半古、鏑木清方といった著名な版画家が手掛けるケースも少なくありませんでした。
- ・源氏絵
- 源氏絵は元々「源氏物語」とモチーフとした作品を指しますが浮世絵では「絵入源氏物語」として刊行され、江戸時代前期の浮世絵師・菱川師宣が手掛けたものも存在します。
- その後も源氏物語は描かれますが伝統的な源氏絵ではなく当世風の絵筋で描かれました。
- また一方で江戸時代後期に流行した『偐紫田舎源氏』も「源氏絵」と呼ばれていました。
- この源氏絵は江戸城大奥の優雅な生活スタイルにかこつけた形で描くことで大流行しました。明治期の浮世絵師・揚州周延の「千代田の大奥」は当時の大ベストセラーとして知られております。
- ・死絵
- 歌舞伎役者が亡くなった際に訃報と追悼の意を込めて制作された浮世絵版画になります。
- 役者の似顔絵に命日や戒名、墓地の場所、業績や偉業、辞世の句などが記されると共に蝶など死を暗示させるモチーフが描かれるといった特徴があります。
- ・春画
- 春画とは江戸時代に流行した性風俗を描いた浮世絵になります。冊子となっているものは艶本や好色本、枕草子などといいます。あぶな絵と異なり、ディフォルメを利かせた露骨な性描写が特徴です。
- 見返り美人で知られる菱川師宣も春画絵師として知られており多くの春画を制作しております。井原西鶴の『好色一代男』が流行すると好色物と呼ばれ大流行しました。
- しかし享保の改革で春画の販売が禁止されると公では販売できなくなりました。それでも大衆のニーズは衰えなかったため裏で販売される様になります。もともと幕府の規制を守るつもりのない春画は当時の最高技術で作られたとも云われております。
- 北斎や歌麿といった有名な浮世絵師のほとんどが春画を制作しましたが幕府の取り締まりから逃れるため作者や版元は陰号として作中のどこかに記されるケースがほとんどです。
- ・新聞錦絵(錦絵新聞)
- 新聞錦絵は明治以降に生まれた浮世絵の様式で錦絵で新聞の読めない人に向けて記事を絵説きしたものになります。ゴシップ性が高く、芸術性には欠けますが当時の世相や大衆文化を知る上で優秀な資料とも言えます。
- ・相撲絵
- 文字通り相撲の力士を描いた浮世絵様式です。
- 相撲の取組はもちろんその後の宴会の様子や稽古場の風景なども描かれ人気のある浮世絵ジャンルのひとつです。大判三枚綴りの取組シーンは迫力があり買取価格も他の相撲絵に比べると高額になります。また人気の力士が描かれていると浮世絵買取査定ではプラス評価となります。
- ・戦争絵
- 戦争絵は「幕末戊辰戦争と西南戦争」を描いたものと「日清・日露戦争」を描いたものの二つに大別されます。特に戊辰戦争や西南戦争の戦争絵は当時流行した錦絵新聞の影響もあり数多くの作品が制作されました。特に揚洲周延と月岡芳年は数多くの戦争画を残しております。
- ・立版古(たてばんこ)
- 立版古とは現在でいうところのペーパークラフトです。玩具絵のひとつで、紙に刷られた人物などを切り抜き設計図に沿って組み立てるとジオラマのような、なんとも言えない立体的な浮世絵版画が出来上がります。切ってしまうともう元には戻りませんので楽しむ際はカラーコピーで複製し楽しみましょう。
- ・鳥羽絵/戯画
- 鳥羽絵は、広義では戯画や漫画を意味する言葉として用いられておりますが、狭義においては18世紀に上方・大坂を中心に流行した笑いのセンスの塊のような戯画を指します。上方での人気が江戸の浮世絵版画にも大きく影響したとされており、葛飾北斎は「北斎漫画」、歌川国芳に至っては「金魚づくし」や落書きをモチーフにした「荷宝蔵壁のむだ書」など数々の戯画を生み出しました。
- ・泥絵
- 泥絵も浮世絵様式のひとつです。遠近法を強調した風景画が多く、江戸名所など描いたことから旅行用のパンフレットのような役割も果たしていたようです。技法は版画ではなく顔料に胡粉を混ぜ直接描いた肉筆浮世絵の一種になります。
- ・長崎絵
- 長崎で版行された浮世絵版画になります。海外との交易港だった長崎では中国の蘇州版画を源流とする長崎版画を生み出します。モチーフは異国情緒に溢れ、オランダ人や唐子、唐人の衣装や生活様式などが描かれました。主に長崎土産として制作され江戸の浮世絵版画とは違った魅力があります。
- ・鯰絵
- 鯰絵はナマズをモチーフにした浮世絵になります。ナマズが地震を引き起こすという民間信仰から端を発し制作されたものです。1855年に起こった安政の大地震後、大量に版行されました。
- 災害は浮世絵のテーマとして度々取り上げられ特に疫病時には「はしか絵」や「疱瘡絵(ほうそうえ)」また「コレラ絵」といった多くの浮世絵版画が作られました。歌川広重もコレラで亡くなったと云われております。
- ・肉筆浮世絵
- 江戸時代初期はまだ版画ではなく肉筆浮世絵が主でした。菱川師宣の「見返り美人」は肉筆浮世絵の代表格と言えるでしょう。
- 浮世絵版画で活躍した浮世絵師たちも肉筆浮世絵を数多く手掛け作品を残しております。中でも特筆すべき存在なのは葛飾北斎でしょう、老いてなお衰えず。
- ・柱絵
- 柱絵は家の柱に飾る浮世絵で細長いのが特徴です。江戸時代では直接柱や壁に張り付けていた様ですが明治頃になると軸装されたものが多かったようです。
- 柱絵は時代によって大きさが異なり縦60㎝以上×横17㎝(25㎝)のサイズのものから横がぐっと小さくなり12㎝ほどのものも存在します。
- ・張交絵(はりまぜえ)
- 張交絵は一枚の版画に色々な形や種類の絵をいくつも配置した浮世絵様式になります。さながら張交屏風のように見えることからこの名がつきました。
- ・美人画
- 美人画は浮世絵だけでなく女性をモチーフとした絵画の総称となります。
- 浮世絵版画では浮世絵師の好みが造形に大きく反映されていると思います。
- 春信美人や歌麿美人、国貞美人と時代を代表する美人の型が生み出されましたが、個人的には渓斎英泉の美人画が影があり魅力的に感じます。
- ・ポンチ絵
- ポンチ絵は明治以降に流行した滑稽絵・風刺絵で漫画の原点とも言える浮世絵様式です。
- 明治の浮世絵師・今泉一瓢(いまいずみいっぴょう)によりポンチ絵は「漫画」と名付けられるようになりました。
- ・無残絵(無惨絵)
- 無残絵は血みどろ絵とも呼ばれている、血液や血痕を色鮮やかに描写した浮世絵になります。無残絵の代表的浮世絵師は落合芳幾と月岡芳年になるでしょう。
- ・武者絵
- 文字通り武者をテーマにした浮世絵様式になります。歴史上の人物や伝説、軍記物に登場する英雄や武将が描かれます。歌川国芳と月岡芳年が有名です。特に国芳はこの武者絵で名を挙げたといっても過言ではないほどの武者絵の名手で「武者絵の国芳」と呼ばれておりました。国芳の代表作『通俗水滸伝豪傑百八人』シリーズは現在でも高額買取対象の浮世絵です。
- ・名所絵
- 名所絵は日本各地の名所をモチーフとした画題で浮世絵では今で言うところの観光案内のような意味合いもありました。歌川豊国の「近江八景」をはじめ葛飾北斎「富嶽三十六景」や歌川広重「東海道五十三次」はあまりにも有名です。広重の「東海道五十三次」は大正時代にも橋口五葉監修のもと復刻版が販売され、時代を越えたベストセラーとなりました。
- ・役者絵
- 役者絵は歌舞伎役者や舞台、それを楽しむ観客などを描いた浮世絵になります。
- 美人画と並ぶ浮世絵の代表的様式ではないでしょうか。忠臣蔵など江戸で人気の演目をテーマとした浮世絵版画も数多く制作されました。
- また役者絵は当時の歌舞伎衣装を知る上でも大変重要な資料となり、その価値が再評価されつつあります。
- 役者絵の名手といえば明治時代に活躍した豊原国周でしょう。国周は現存する枚数も大変多いため買取価格としてはそこまで高額とは言えませんが状態のよい大判3枚綴りの大作ですと数万円の価格となる可能性もございます。
- ・幽霊画(幽霊絵)
- 幽霊画は浮世絵はもちろん日本画としても大変人気のあるジャンルになります。
- 日本画では円山応挙が最初に幽霊絵を描いたと云われておりますが浮世絵版画では葛飾北斎や歌川国芳、月岡芳年、河鍋暁斎など作品を残しております。
- 浮世絵版画では妖怪や怪異は人気の画題であり国芳の『相馬の古内裏』は現在も大変人気のある浮世絵版画のひとつで状態のよいものは高額買取対象です。
- ・横浜絵
- 横浜の描写に特化した浮世絵になります。長崎絵同様に異国情緒溢れるもモチーフが最大の特徴です。長崎絵と異なり江戸と近かったため版元も江戸の版元が多く当世人気の歌川派の作家によって制作された作品が多く残されております。
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【浮世絵売却】浮世絵高額買取のポイント
①浮世絵の保存状態はどうか
浮世絵の高値買取りには作品のコンディションの良し悪しが大きく影響します。
人気の画題や浮世絵師の作品でも虫食いや破れなどが目立つと買取価格は下がります。また補強のため裏打ちと呼ばれる補強用の紙が裏に貼られた浮世絵も、オリジナルの状態ではないため査定評価が下がりやすい傾向にあります。
浮世絵のほとんどは紙に刷られた木版画ですので湿気によるシミや日光や紫外線による退色の有無も査定のポイントとなります。紙は吸湿性が高いため、いかに保存していたが浮世絵を高額で売却するための鍵となります。
②人気の画題や浮世絵師の作品かどうか
上記しましたように、浮世絵には大変多くの画題があります。浮世絵の代名詞とも言える役者絵はそれだけ数も多いため写楽など希少性の高い作品以外はそこまで高額買取には結びつきません。しかし役者絵の中にも凝った意匠のものやデザイン性に富んだ作品は芸術的観点から高額買取となるケースも見受けられます。
稀代のヒットメーカー・歌川国貞の役者絵でも、背景の凝った作品や人物描写に優れた作品とそうでないものとでは買取価格に大きな差が生じます。
③初摺りであるかどうか
初摺りとは最初に摺られた浮世絵版画を指し、質・出来栄え全てにおいて後摺りとは大きく異なります。色の濃淡、グラデーションや細部の表現に至るまで初摺りは全てが鮮明です。初摺りこそ浮世絵師が表現したかった姿といってもよいでしょう。出版で言うところの初版となるためこれが売れないと重版がかからず浮世絵師としても死活問題です。だからこそ初摺りに浮世絵師は出来ることの全てを込めるのです。
人気のあるシリーズは重版がかかり増産されます。これが後摺りです。後摺りは細かい箇所が省略されたり線画がぼやけてしまったり、色を減らしたりしてスピード重視の増産をします。今流通している浮世絵版画のほとんどが後摺りでしょう。
そのため初摺りの浮世絵は大変希少性が高く、且つ芸術的にも評価が高いため高額買取されやすい傾向にあります。もし初摺りをお持ちでしたら、大変貴重な美術品ですので売らずにそのままお持ちいただき大切にされるのもよいかと思います。
そしてこれら浮世絵の高額買取ポイントについては、残念ながら買取業者の中にも正確な見極めや鑑定ができていない業者が決して少なくありません。
私たち浮世絵を取り扱う買取店は何よりも先ず商品知識と作品に対する敬意、そしてお客様のお気持ちに寄り添った対応が必要不可欠です。
浮世絵の処分されたい方は浮世絵に対する知識と買取実績があり、丁寧な対応をしてくれる買取店にご相談されることをお薦め致します。
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【浮世絵売却】肉筆浮世絵の評価と買取について
浮世絵には木版画のものと肉筆浮世絵がございますが、肉筆浮世絵は贋作の多さでも知られております。
1934年(昭和9年)写楽や歌麿の肉筆浮世絵の入札会が開かれた結果、全てが贋作であったという事件が起きました。春峯庵事件と呼ばれるこの事件により肉筆浮世絵は扱いにくいという認識が一般化し、肉筆浮世絵に関する研究は他の日本画に比べると進んでいないのが現状です。
肉筆浮世絵だけでなく骨董品や美術品に贋作はつきものですが、贋作には美術品としての価値はゼロですので買取することはできません。
また肉筆浮世絵に関しては買取業者によって取り扱いも異なると思われます。贋作の多い分野になりますので複数の買取店に見積もりを取られるのもよいかもしれません。
肉筆浮世絵研究の今後の発展に期待いたします。
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【浮世絵買取】浮世絵売却のまとめ
浮世絵は日本美術を代表する美術様式であり肉筆浮世絵と浮世絵版画に大別されます。
浮世絵は種類や画題は多岐に渡り、中にはあまり一般的ではない種類も存在するため浮世絵に馴染みのない方ですと、どの浮世絵に価値があるのか分かりにくいかもしれません。
また買取業者の中にも浮世絵にあまり詳しくない業者も少なからず存在するため浮世絵買取には買取店の取捨選択が肝要となります。
あまり見たことがない浮世絵版画は、もしかすると希少性の高い題目の作品かもしれません。しかし、それを知る買取店と知らない買取店では買取価格に大きく差が生じます。浮世絵買取に関しては各買取店のHPなどをご覧になり、より詳しい買取店にご相談されることをお薦め致します。
肉筆浮世絵など判断の分かれる浮世絵はいくつかの買取店に相見積りされるのもよいかもしれません。
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浮世絵買取専門店「江戸市川」では浮世絵を丁寧かつ詳細に査定買取を心がけております。
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他の買取業者では断られたお品でもご依頼・売却いただけます。
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もしお持ちの浮世絵のご売却や処分を検討されていましたら是非「江戸市川」にお問い合わせ下さい。
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電話・メール・LINEでのお問い合わせを承っておりますのでお気軽にお声掛け下さいませ。
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